2024年7月にNetflixで配信が開始されてから、今でも人気の話題作「地面師たち」。
この人気ドラマは、実際に起こった事件をもとに制作されたということを知っていましたか?
今回の記事では、Netflixドラマ「地面師たち」のもとになった事件についてまとめていきたいと思います!
本当にあった話だったなんて・・・。
積水ハウス事件地面師事件
Netflixドラマ「地面師たち」のもとになった実事件は、2017年6月に起こった大手ハウスメーカー・積水ハウスが地面師にだまされた詐欺事件です。
地面師に目をつけられた旅館
事件の舞台は「海喜館(うみきかん)」という旅館です。
海喜館は五反田駅から徒歩約3分の好立地にある、当時の所有者であった女将の父親がはじめた旅館でした。
女将は1944年生まれで事件当時だと70代!
しばらくの間は繁盛していましたが、建物の老朽化に伴い、近隣のホテルに客が流れてしまい、売り上げが減少してしまったそうです。
そのことに目をつけたいろいろな業者から「旅館を売ってほしい」と言われ続け、嫌気がさした女将は、旅館に泊めるのは常連客のみとしました。
たくさんの不動産業者やデベロッパーが、営業するためにお客さんとして泊まりに来たみたい。
そのまま売り上げは落ち続け、2015年に閉業しました。
女将はその後も旅館を売ることなく、体調を崩して入院するまで旅館に住み続けていたそうです。
地面師グループはそんな海喜館に目をつけたのです・・・。
なりすまし役の偽女将
女将のなりすまし役である偽女将は、生命保険会社で働いていた当時60代の女性でした。
地面師グループから声を掛けられ、偽女将の仕事を引き受けたそうです。
偽女将の報酬は100万円だったという噂・・・。
ターゲットとなった積水ハウス
2017年に起こった積水ハウス事件地面師事件について、時系列順にまとめていきます。
海喜館の所有者のことは「女将」と表記します!
・4月4日:地面師グループが積水ハウス営業次長に海喜館土地売却の話を持ちかける
・4月13日:地面師グループ・中間買主・積水ハウスで契約条件打ち合わせ
地面師グループが取引を急かす
・4月24日:売買契約締結
積水ハウス ー(手付金14億円)→ 地面師グループ
・6月1日:積水ハウス ー(残金49億円)→ 地面師グループ
・6月6日:登記却下、女将が偽物だと発覚
・6月24日:本物の所有者・女将が逝去
・7月4日:相続により、新しい所有者に海喜館土地の所有権が移転
2017年4月、地面師グループから積水ハウスに、「海喜館の土地が売りに出される」という話が持ち込まれました。
地面師グループはその後の打ち合わせで、「女将はマンション購入資金調達のために早く海喜館の土地を売りたがっている。購入希望者はたくさんいる。」と積水ハウスを急かし、24日には売買契約が締結されました。
約70億円の売買契約!
6月6日、法務局から不動産の本登記却下の連絡が入ったことにより、ついに地面師グループに騙されていたことが明らかになりました。
その後本物の海喜館所有者である女将は亡くなり、相続により新たな所有者に海喜館土地の所有権が移転されました。
積水ハウスは結果的に、総額55億5千万円を騙し取られてしまいました。
危険を回避した中国人社長
実は積水ハウスが地面師グループから狙われる前、第1のターゲットとされていたのはある中国人の社長でした。
積水ハウスは2番目のターゲットだった!
しかしこちらの中国人社長は地面師グループに騙されることなく、詐欺を回避したのです。
旭化成グループがその土地を取得
2017年7月に、海喜館の土地の所有権は、正しい所有者に相続されました。
その後海喜館の土地を旭化成不動産レジデンスが取得し、高層マンション・アトラスタワー五反田が建設されました。
まとめ
今回の記事では、Netflixドラマ「地面師たち」のもとになった事件についてまとめてみました。
不動産のプロでも見抜けず騙されてしまうだなんて、とても恐ろしいですよね。
地面師に限らず、みなさんも詐欺には気をつけてください!